4Dec
日々進化していく美容の世界は、とっても奥が深い!
今回は昨年(2016年)のノーベル賞受賞で話題になった『オートファジー』のお話です。
『オートファジー』は、昨年(2016年)の日本人研究者によるノーベル生理学・医学賞の受賞で話題になり、細胞内部のオートファジー(自食作用)のメカニズムを解明したことがノーベル賞の受賞理由でした。
下の図にあるように、細胞内に溜まった、損傷したり不要となった細胞小器官やタンパク質をアミノ酸にまで分解・処理して新しいタンパク質に再合成できるようにするなど、生命がもつリサイクルシステムのなかで分解に関わる重要な機能がオートファジーです。
細胞が自らの機能を維持する(ホメオスタシス)ための自浄作用、つまり細胞が自らキレイになるというわけです。
オート(auto)は「自分自身」、ファジー(phagy)は「食べること」の意味。細胞が細胞内の不要なたんぱく質を分解する仕組みのひとつ。
セプテム総研では、以前からホメオスタシスや植物機能研究の一環として、オートファジー様機能について研究を続けています。
研究では、オートファジー以外にも酸化や糖化により肌に溜まってしまった老廃物を分解・処理して再利用できるチカラがあるのではないかと考え、実験やデータ検証をおこなってきました。その結果、肌に不要なものを自ら分解・処理するチカラが存在していることを確認しました。それがOPH※1と呼ばれるタンパク分解酵素です。
ただし、残念ながら、OPH※1は加齢とともに活性が弱まることが研究で明らかになっています。
◎ OPH※1を活性化させる効果を持つ植物エキスの発見
加齢とともに活性が弱まるOPH※1ですが、セプテム総研は、そのチカラ(OPH※1)を活性化させる効果を持つ植物エキスを発見しました。研究成果はすでに学会で発表していて、セプテムの商品開発にも応用されています。
※1 OPH=酸化タンパク分解酵素
不要なものを自ら分解・処理するチカラを高めることも重要ですが、酸化や糖化によって老廃物をつくらせないことも、とても大事なんです。さきほど「酸化、糖化したタンパク質」という話が出ました。「酸化」という言葉はよく聞きますが、「糖化」はあまり聞きなれない言葉です。
糖化とは、体内でタンパク質と糖が結びつくことで、酸化と同じく肌に悪い影響をもたらすものです。しかも糖化によって劣化したタンパク質は、一度つくられると分解されにくく、最終的に「AGEs」という最終糖化生成物として肌に蓄積されていってしまいます。AGEsは、肌のシミ・シワなど、見た目の老化と直結しています。
研究の結果では、4種のハーブをミックスして抽出した成分に、AGEsの生成を抑える機能のあることが確認・報告されています。下記グラフから、混合ハーブ4種※2が代表的なAGEsである、CML、ペントシジン、3DGの生成を阻害していることがわかります。
ホメオスタシスを高めるためには、不要なものを出さない、溜めないことが重要です。
※2 ドクダミ、セイヨウサンザシ、ローマカミツレ、ブドウ葉